
「FAQのリッチリザルトは終了したと聞いたけれど、GoogleにはQ&Aページの構造化データの説明が残っている。どちらが正しいのでしょうか?」
構造化データについて調べると、このような疑問を持つかもしれません。
結論からいうと、FAQPageとQAPageは対象が異なります。QAPageがGoogleでサポートされていることは、お店や会社の「よくある質問」にQAPageを使ってよいという意味ではありません。
また、FAQ本文を掲載すること、構造化データを追加すること、検索結果にリッチリザルトが表示されることも、それぞれ別の話です。

私はWordPressやホームページ運営を初心者の方に教える立場から、実装できるかだけでなく、その方が無理なく管理し続けられるかも大切にしています。
この記事では、Googleの公式資料をもとに、混同しやすい点と実務での考え方を整理します。
※公式情報の確認日:2026年9月19日。Googleの機能やガイドラインは変更されることがあります。
FAQ本文・構造化データ・リッチリザルトを分けて考える
最初に、三つの言葉を整理しましょう。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| FAQ本文 | 訪問者がページ上で読む「よくある質問と回答」 |
| 構造化データ | ページの内容や情報の関係を機械に伝えるための、決まった形式のデータ |
| リッチリザルト | 通常の検索結果に加え、特定の情報を特別な形式で表示する検索機能 |
例えば、教室のホームページに「初めてでも参加できますか?」「何を持参すればよいですか?」という質問と回答を掲載するだけでも、参加を検討している方に必要な情報を届けられます。
構造化データを付けるかどうかにかかわらず、FAQ本文には読者の不安や疑問に答える役割があります。
FAQPageとQAPageは何が違う?
FAQPageは、よくある質問とその回答を扱うSchema.orgの型です。一方、GoogleのQAPageの利用条件は、一つの質問を中心とした、ユーザーが回答を投稿できるページを基本としています。Schema.orgのFAQPage・GoogleのQAPageガイドライン
一般的な店舗サイトと質問投稿サイトを比べると、違いが分かりやすくなります。
| 比較項目 | 店舗などのFAQ | GoogleのQAPageの基本的な対象 |
|---|---|---|
| ページの目的 | 運営者が、よく寄せられる疑問に答える | 一つの質問に対する回答を集める |
| 回答を用意する人 | 店舗やサイトの運営者 | 回答を投稿するユーザー |
| 訪問者による回答の追加 | 通常はできない | できる仕組みがある |
| 具体例 | 教室の持ち物・予約・料金についてのFAQ | 一つの操作上の質問に利用者が回答するフォーラム |
大切なのは、ページ名が「FAQ」か「Q&A」かではなく、実際にどのような内容と投稿機能を持つページなのかという点です。
お店が回答を用意するFAQの例
例えば、オンライン講座のページに、運営者が次の内容を掲載したとします。
- 質問:パソコン初心者でも受講できますか?
- 回答:現在の操作経験を確認し、進め方をご相談します。
- 質問:受講前に準備するものはありますか?
- 回答:講座内容に応じて、必要な準備を事前にご案内します。
これは運営者が案内を用意するFAQです。ページの見出しを「Q&A」にしても、それだけでGoogleのQAPageの対象にはなりません。
一つの質問にユーザーが回答するページの例
一方、「WordPressで画像が表示されないのはなぜですか?」という一つの投稿に、ほかの利用者が回答を追加できるフォーラムは、QAPageの対象を考える際の分かりやすい例です。
回答が現在何件あるかだけでなく、質問と回答を扱うページの仕組みを確認する必要があります。

つまり、Yahoo知恵袋の1つ1つのスレッドの内容などですね。もしWordPressでやるとしたら、コメント欄を開放してユーザー間で回答を共有する仕組みにするとQAPageの対象になるでしょうね。
QAPageは、FAQPageの代わりにはならない
Googleは、運営者が作成し、ユーザーが回答を追加できないFAQや、質問と回答で構成したブログ記事を、QAPageを使用できない例として挙げています。複数の質問をまとめたFAQも、対象ではありません。Googleのコンテンツガイドライン
したがって、「FAQの検索表示が終了したので、コードのFAQPageをQAPageに変更する」という対応は適切ではありません。
構造化データは、検索で使われている型に名前だけ合わせるものではなく、実際のコンテンツに合った型を選ぶものです。
なお、Googleには教育関連のQ&Aについて別途説明があります。この記事では、一般的なお店・会社・教室のFAQと、ユーザー投稿型のQ&Aを比較しています。
FAQリッチリザルトは2026年に終了した
Googleの公式更新履歴では、次の変更が確認できます。
| 時期 | 変更内容 |
|---|---|
| 2026年5月7日以降 | FAQリッチリザルトがGoogle検索に表示されなくなった |
| 2026年6月15日 | FAQリッチリザルトに関するドキュメントを削除した |
このため、2026年9月時点では、GoogleのFAQリッチリザルト表示を目的として、新たに実装を進める理由はありません。
ただし、Googleの表示機能が終了したことと、Schema.orgのFAQPageという型がなくなったことは別です。 FAQPageの定義自体は、Schema.orgで確認できます。Schema.orgのFAQPage
「FAQ構造化データがすべて廃止された」という表現よりも、「GoogleのFAQリッチリザルトが終了した」と説明するほうが正確です。
初心者にFAQ構造化データの手動追加を必須にしない理由

ここからは、初心者向けにWordPressを教える立場での私の考えです。
私は、明確な目的がなければ、FAQ構造化データを初心者の方に毎回手作業で作成してもらう必要はないと考えています。
コードを入れた後にも管理が必要になる
構造化データは、一度入れれば終わりではありません。
例えばFAQ本文の料金や予約方法を修正したのに、別に入力した構造化データが古いまま残れば、情報が食い違います。
AIでコードを作成できても、正しい場所に設置する、既存の出力と重複していないか確認する、本文の更新に合わせて修正する、といった管理は必要です。
WordPressの自動出力は利用環境によって異なる
テーマやプラグインによって、自動出力される構造化データは異なります。FAQを扱う機能でも、画面上に質問と回答を表示する機能と、構造化データを出力する機能は分けて確認する必要があります。
自動管理できる環境と、記事ごとに手作業でコードを入れる環境では、運用負担が違います。「入れられるから入れる」ではなく、何のために追加するのかを先に考えたいところです。
読者に伝える内容の改善を優先したい
初心者の方に限られた作業時間があるなら、私はまず次の点を確認します。
- 料金やサービス内容が分かりやすいか
- 申し込み前の疑問に答えられているか
- 予約や問い合わせの方法が見つけやすいか
- 古い情報が残っていないか
構造化データの追加作業が負担になって更新が止まるより、必要な情報を正しく掲載し続けられることを大切にしたいと考えています。
FAQ構造化データは検証できない?
検証についても、Googleのリッチリザルト向けの確認と、Schema.orgのデータとしての確認を分けましょう。
Schema Markup Validatorでは、ページなどから構造化データを抽出し、構文上の問題などを確認できます。Googleの特定のリッチリザルトへの対応とは別に、検証手段はあります。Schema.orgの検証ツールの説明
ただし、検証結果にエラーがないことは、検索順位の上昇や、AIでの紹介、リッチリザルトの表示を保証しません。本文との一致や、ページに合った型を使っているかは、人が確認する必要があります。
「検証方法がないから不要」と説明するより、期待する効果と維持管理の負担を考え、手動追加を必須にしないと説明するほうが、判断の理由が明確になります。
すでに入っているFAQ構造化データはどうする?
私なら、すでに正しく出力されているものを、表示機能の終了だけを理由に慌てて削除する作業は優先しません。
ただし、「残してよい」と「内容を確認しなくてよい」は別です。
本文と情報が違う、削除した質問がコードに残っている、複数の機能から重複出力されているなどの問題があれば、整理を検討します。
新規に実装する場合も、利用先や目的が明確で、継続して管理できるかを確認して判断します。
まとめ:サポートの有無と、自分のページへの適用は別の問題

FAQPageとQAPageは、どちらも質問と回答に関係しますが、同じ用途ではありません。QAPageの公式資料が存在することを根拠に、店舗のFAQへ導入を勧めることはできません。
確認したいのは、「この型は今も使われているか」だけでなく、「このページが利用条件に合っているか」です。
そして、FAQリッチリザルトの終了によって、読者の疑問に答えるFAQ本文まで不要になったわけではありません。
私は初心者の方には、まず、お客様が知りたいことに分かりやすく答えるページを整えてほしいと思っています。そのうえで構造化データが必要なら、目的と管理方法を確認して取り入れる。この順番を大切にしています。
